去年庭池に設置したアクアポニックス。
野菜などがうまく育たないのでウォーターコインを植えていたのだが、伸びすぎて収拾がつかなくなってきた。
根が詰まって水の流れが悪くなり池の外にオーバーフローしそうな勢いで、お目当ての野菜もできないしもう撤去してしまおう。と思い立った。
新しい濾過装置を作る
現在、庭池の濾過機能は小さな濾過装置とアクアポニックスの培地が担っている。
濾過装置はどうしようかと悩んだのだが、装置自体の背が低くそのままでは使えないことと、濾材の大部分であるアクアポニックスの培地(軽石)を処分するので濾材の容積がかなり減ってしまうことから、大きなものに作り替えることにした。
構想
材料は今回も塩ビパイプを使用する。
配管径をワンサイズ上げて、さらに背を高くすることで課題の背の高さを解決しつつ、容積も大きくできる。
使った材量
使った材料は以下の通り。どれもホームセンターで売っている。
- 塩ビパイプ(VP)125A
数量:50cm×1本
用途:濾過装置のケース部分 - 塩ビパイプ(VP)用キャップ125A
数量:1個
用途:濾過装置の底部分 - 塩ビパイプ(VP)30A
数量:1m×1本
用途:ろ過装置から庭池への排水管 - 塩ビパイプ(VP)継手30A
数量:3個
用途:濾過装置から庭池への配水管(曲がり部分に使用) - ホース
数量:40cm×1本(家にあった切れ端で長さは適当)
用途:オーバーフロー用 - ホースジョイント
数量:1セット(旧濾過装置から移植)
用途:給水管(ホース)の接続に使用
濾過装置製作・設置
- VP125Aにキャップ取付
まずは濾過装置のケースとなるVP125Aにキャップを取り付ける。
塩ビパイプ(VP)を接着する場合には専用の接着剤(パイプの近くに売っていると思う)を使って接着するのだが、今回はこの部分は水中になり少量水が漏れても問題ないため差し込むだけにしている。キャップ内径と配管外径にあまり差がなく硬いので、差し込むときは平らな硬い地面の上で体重をかけてしっかり押し込む。
なお一度差し込むと、接着剤なしでもそう簡単には抜けない。 - VP125Aに穴をあける
VP125Aに給水用の穴、排水用の穴、オーバーフロー用の穴をあける。
オーバーフローと給水の穴は家にいいサイズがあったのでホールソーで、排水の穴は径が大きくホールソーのサイズがなかったので「はんだごて」でパイプを溶かして穴をあけて、最後にやすりで仕上げた。
エルボがぴったり収まったら、隙間をバスコークで埋めておく。
- 濾過装置底の加工
穴をあけ終わったら濾過装置の底を加工していく。
今回の濾過装置は2号池(プランター)の中に設置し、2号池にも少量の給水をしたいため底面にドリルで小さな穴をあける。穴をあけたら、濾過装置内部の底部分にスペーサーとして短く切った30Aの塩ビパイプを接着する。
位置は取り付けた排水用のエルボの開口の前。濾材などが排水口をふさがないことを目的にしている。あとは濾過槽の底面に余った塩ビパイプを接着しゲタをはかせる。
これは底面にあけた穴から水が出やすくするためと、2号池はもともとプランターなので底に補強用の凸凹があるため、それを跨いで設置するためである。接着は塩ビ用の接着剤か、市販の接着剤(溶剤が強いものはVPが溶ける場合があるので用途をよく確認したほうがいい)を使用する。
- 配管類の取り付け
ここで排水管、オーバーフロー用のホース、給水用のホースジョイントを取り付ける。
排水管は設置位置に合わせて適当な長さに切り接着剤なしで組み立てた。角度を調整したかったのと、漏れても漏れ箇所は池の上なのでさほど問題ないだろうという判断である。
また、ホースは差し込んだらバスコークで隙間をふさいだ。
なお、上の写真は「取付完了」と書いているが、この時点では給水用のホースジョイント用の穴あけと取り付けを忘れてしまっている。
- 濾材とスポンジフィルターをセット
濾過装置を2号池に移動させ、濾材とスポンジフィルターを設置していく。
濾材は旧濾過装置のものを再使用しているが、容量アップにより濾材の量が足りないので従量当たりの単価が安かった「GEX BioRing(800g)」を2箱購入した。
スポンジフィルターは今まで使っていたものではサイズが合わないため、ちょうどよさそうなサイズの「GEX メガスポンジ1215」を購入した。
濾材を詰め終わったところ。たまたま丁度いい容量だった。
今までは網から出して詰めていたが、今回はメンテナンス性を考えて網に入れたままセットした。
スポンジフィルターはもともと市販の濾過装置専用のものでサイズ、形状が合わないため濾過装置の大きさに合わせてハサミでカットして取り付ける。
スポンジは若干大きめに切っておくと縁に沿って隙間なく設置できる。
蓋をつけるか迷ったが、フィルターの詰まり具合が確認しやすいように蓋なしで運用してみることにした。
不具合があるようなら追加すればよいだろう。
設置完了
濾過装置以外はもともと揃っていたので簡単に設置が終わった。
作業が結構大変だったので写真を撮らなかったのだが、アクアポニックスの培地の撤去作業に一番時間がかかったと思う。
◆1号池側から見た改造前後
◆庭池全体の改造前後
全体としてかなりすっきりした。
2号池はアクアポニックスの培地でいい感じに日陰になっていたのが日当たりが良くなるため、環境の変化が少し心配ではある。(アオミドロが増えそう)
それはそれとして、切っても切っても無限に伸びてくるウォーターコインの手入れが不要になるのでとても気が楽になった。
今後の課題
2号池の全体が見えるようになって気付いた(というか前から薄々気づいていた)のだが、どうも2号池は奥側(濾過装置を設置した側)がアクアポニックスを設置していた時の重さで沈下してしまっており、通水すると縁ギリギリまで水がたまる。
少しのトラブルで池から水が溢れてしまいそうなので改善が必要である。