先日、神奈中バス(神奈川中央交通)の金額式IC定期券について記事を書いたのだが、内容を分かりやすくまとめてみた。
金額式IC式定期券とは
金額式IC定期券は、定期券の設定運賃以内であれば、神奈中バスの路線バスのどの区間でも利用できる定期券である。
例えば、Aバス停~Bバス停の間(250円区間)で定期券を買う場合、設定運賃250円区間の金額式IC定期券を購入すると、250円以内の経路であればどの区間でも運賃が発生せずにバスに乗ることができるというものである。
通勤経路と全く関係ない場所、経路を利用してもよい。
例えば、下記のような感じで利用できる。
- Aバス停~Bバス停(通勤経路、250円区間)⇒ 料金の発生なし
- Bバス停~Dバス停(他の系統、240円区間)⇒ 料金の発生なし
- Eバス停~Fバス停(隣町の系統、250円区間)⇒ 料金の発生なし
- Aバス停~Cバス停(通勤経路+乗越し、300円区間)
⇒ 294円(300円区間のICカード料金)-250円分 = 44円の支払い
神奈中バスの定期券はお得感が全然ないが、休日含めて神奈中バスの色々な路線に乗車するようならおトクに使えそうである。
定期券を買うか買わないか
定期券を買うか買わないか断(元が取れるかどうか)の判は、定期券の金額をICカード運賃で割ってやれば簡単にできる。
例えば、250円区間の1か月定期券は10,810円で、ICカード運賃は242円なので
10,810円 ÷ 242円 ≒ 44.67回
となり、月に45回以上(日数にすると23日以上)バスに乗らないのであれば定期券を買うより普通にICカード運賃を支払って乗ったほうが金額が安い。
同じように計算し、170円区間から400円区間までの計算結果を下の表にまとめてみた。
上の表の「定期>ICカードになる日数」が、ICカードで乗車したほうが支払金額が安くなる日数になるのため、
- 1か月定期
⇒1か月あたり23日以上バスに乗るなら定期券を買ったほうが得 - 3か月定期
⇒1か月あたり22日以上バスに乗るなら定期券を買ったほうが得 - 6か月定期
⇒ 1か月あたり21日以上バスに乗るなら定期券を買ったほうが得
どの区間でもICカード料金で定期代より安く乗れる日数は同じで、定期券の期間が長くなると少しお得になるが、正月、GW、盆休みや有給休暇などを考えると定期券を買うメリットはほぼ感じられない。
神奈川中央交通さんにはもう少し定期券の金額を検討してほしいところである。
定期券をお得に買う方法
金額式IC定期券の特徴として、乗り越し精算は定期券の設定金額(現金での運賃)とICカードで乗車した場合の差額を支払うことになる。
式にすると、
「ICカード運賃 - 定期券設定区間の運賃 = 乗越生産で支払う金額」
例えば240円区間の定期券を持っており、250円区間(ICカード運賃242円)を乗車した場合の乗り越し精算時に支払う金額は
「242円 - 240円 = 2円」
となる。(※実際に使用して確認済み)
思ったより支払いの差額が小さいため、自分が利用する区間より一つ手前の区間で金額式IC定期券を購入した場合の試算をした。1か月、3ヶ月、6か月それぞれの試算結果を表にまとめてみた。
表は、「実際に乗車する区間の定期券購入金額」と、「一つ手前の区間の定期券購入金額+乗車ごとに乗越精算をした場合の運賃」を比較している。青の太字部分については、一つ手前の期間の定期券を購入した方が金額が安くなることを示す。
「月に20日(20往復)バスを利用した場合の差額」「月に25日(25往復)バスを利用した場合の差額」「月に30日(30往復)バスを利用した場合の差額」の3パターンで差額を試算しているため、自身の利用頻度に応じて参照してほしいと思う。
試算した結果、1か月、3ヶ月、6か月いずれの定期券を買う場合でも利用する区間のICカード運賃と一つ手前の区間の現金運賃の差が6円未満であれば、一つ手前の区間で定期券を購入した方が支払金額が安く済むことが分かった。
特に250円区間~290円区間で金額式IC定期券を利用している人は恩恵が大きいため、ICカードのチャージ忘れには注意が必要だが試してみて損はないと思う。
実際に利用してみて
試算したところ自分自身が利用している区間でも金額がお得になることが分かったため、一つ手前の区間で金額式IC定期券を購入し都度乗り越し料金を支払っている。
特に問題もなく、特段手間もかからないためおススメできると思う。