idecoの掛金拠出方法について考察

 idecoの掛金拠出方法には大きく分けて「毎月定額」と「月・金額を指定」がある。どうすれば一番おトクに積立ができるかを考察しつつ、自分の掛金の拠出方法について検討した。

掛け金の拠出方法について

 idecoの掛金拠出方法である「毎月定額」と「月・金額を指定」について以下にまとめた。

 

毎月定額(月払い)

◇ 掛け金拠出方法

 毎月決まった掛金を拠出する。(以後「月払い」という。)

 

◇ 掛け金の最低金額

 5,000円/月

 

◇ 掛け金の上限額

 人により異なる。(12,000円/月~68,000円/月)

 例えば僕の場合だと国民年金の被保険者区分が「第2号被保険者(会社員・公務員等)」で、会社に確定給付年金(DB)があるので、月の掛金の上限額は12,000円/月である。自分の掛け金上限額を知りたい場合は、ideco公式サイト「idecoをはじめよう」で確認できる。

 

月・金額を指定(年払い)

◇ 掛け金拠出方法

 12月~翌年11月(納付は1月~12月)を「1年」とし、月ごとに掛け金を設定して拠出する。(以後、「年払い」という。)

 ボーナス月だけ掛け金を多くしたり、偶数月のみ掛け金を拠出することなども可能であるが、毎月の掛け金は月ごとに都度決められるわけではなく、事前に設定した金額を毎月拠出していくことになるのでその点は注意が必要である。

 

 ◇ 掛け金の最低金額

 60,000円/年

 (5,000円/月×12か月=60,000円)

 掛け金を拠出する月は5,000円/月以上

 

◇ 掛け金の上限額

 人により異なるが、月払いの1か月あたりの掛け金の上限額(12,000円/月~68,000円/月)×12か月が年間の掛け金上限額になる。

 月払いの上限金額が12,000円/月の人の場合だと、年間だと144,000円が掛け金の上限である。

 (12,000/月×12か月=144,000円)

 ただし、掛け金は先払いができないルールとなっており、

「月払いの上限金額」×「12月~翌年11月の経過月数」から「12月~翌年11月の間に拠出した掛金の金額」を引いたも金額がその月の掛金の上限額になる。

 例えば、月払いの上限金額が12,000円/月の人が6月に掛け金を拠出する場合で、期間内(12月~翌年11月まで)に既に30,000円を拠出している場合、6月の掛金の上限は54,000円である。

 (84,000円-30,000円=54,000円)

※84,000円の根拠は「表1:年払いの月あたり掛け金上限」参照。

表1:年払いの月あたり掛金上限

表1:年払いの月あたり掛金上限(円)※月払い上限掛金が12,000円の場合

 

おトクな積立方法 は?

試算してみた結果

  掛け金の拠出方法による違いを表2~表5にまとめた。掛金(①)最低額の5,000円/月、税負担軽減額(②)を20%、手数料(④)(⑤)は申し込みを行うマネックス証券の手数料として計算している。

 

◇ 掛け金を毎月拠出する場合

 掛け金を毎月拠出する場合の資産を「表2:掛け金を毎月拠出する場合」にまとめた。

 掛け金(①)60,000円/年に対して、税負担軽減額(②)が12,000円/年あるため、実質の掛金(③)は48,000円/年である。

 徴収される。手数料は、口座管理手数料(④)は792円/年、収納時手数料(⑤)は1,260円/年なので、実際の積立額(⑥)は、57,948円/年となる。

 つまり、掛金拠出による税負担軽減を考えると、実質48,000円/年の掛金で57,984円/年の積立ができる。

表2:掛け金を毎月拠出する場合(単位:円)

表2:掛け金を毎月拠出する場合(単位:円)

 

◇ 掛け金を奇数月に拠出する場合

 掛け金を奇数月に拠出する場合の資産を「表3:掛け金を奇数月に拠出する場合」にまとめた。

 掛け金(①)60,000円/年に対して、税負担軽減額(②)が12,000円/年あるため、実質の掛金(③)は48,000円/年である。

 徴収される。手数料は、口座管理手数料(④)は792円/年、収納時手数料(⑤)は630円/年なので、実際の積立額(⑥)は、58,578円/年となる。

 つまり、掛金拠出による税負担軽減を考えると、実質48,000円/年の掛金で58,578円/年の積立ができる。

表3:掛け金を奇数月に拠出する場合(単位:円)

表3:掛け金を奇数月に拠出する場合(単位:円)

 

◇ 掛け金を年に2回拠出する場合

 掛け金を年に2回拠出する場合の資産を「表4:掛け金を年に2回拠出する場合」にまとめた。

 掛け金(①)60,000円/年に対して、税負担軽減額(②)が12,000円/年あるため、実質の掛金(③)は48,000円/年である。

 徴収される。手数料は、口座管理手数料(④)は792円/年、収納時手数料(⑤)は210円/年なので、実際の積立額(⑥)は、58,998円/年となる。

 つまり、掛金拠出による税負担軽減を考えると、実質48,000円/年の掛金で58,998円/年の積立ができる。

表4:掛け金を年に2回拠出する場合(単位:円)

表4:掛け金を年に2回拠出する場合(単位:円)

 

◇ 掛け金を年に1回拠出する場合

 掛け金を年に1回拠出する場合の資産を「表5:掛け金を年に1回拠出する場合」にまとめた。

 掛け金(①)60,000円/年に対して、税負担軽減額(②)が12,000円/年あるため、実質の掛金(③)は48,000円/年である。

 徴収される。手数料は、口座管理手数料(④)は792円/年、収納時手数料(⑤)は105円/年なので、実際の積立額(⑥)は、59,103円/年となる。

 つまり、掛金拠出による税負担軽減を考えると、実質48,000円/年の掛金で59,103円/年の積立ができる。

表5:掛け金を年に1回拠出する場合(単位:円)

表5:掛け金を年に1回拠出する場合(単位:円)

 

年1回拠出にすると毎月拠出と比べて1,155円/年おトク

  表2 ~表5を見比べると、金額が変わるのは収納時手数料(④)のみである。収納時手数料の105円は、「掛け金を拠出したとき」のみかかる。

 つまり、少しでもお得に掛金を積み立てるのであれば、掛け金を拠出しない月を設定すれば収納時手数料(④)の節約ができる。掛金を年に1回にすると、掛け金を毎月拠出する場合と比べて年間で1,155円多く掛け金を積み立てることができる。


掛け金の拠出回数を減らした時のデメリット

 運用商品に価格変動があるものを取り入れて積立をする場合、価格が日々変動するため同じ商品を複数回に分けて同じ金額分を購入する(ドルコスト平均法という)ことで、商品の買い付け価格の平均値を安定させる方法がよく用いられるが、掛け金の拠出回数を極端に少なくするとドルコスト平均法での運用ができない。

 例えば11月にその年の掛金上限額を拠出する場合、運が良ければ年間で一番安い金額で運用商品を買い付けられるが、運が悪いと年間で1番高い金額で運用商品を買うことになる(高値掴み)。

 通常の金融商品の購入と違って、世の中の情勢などを見ながら買う時期を決められないので完全に運任せになるため、ドルコスト平均法のほうが比較的安全と考えられる。 

 

掛金拠出方法は「年払いで奇数月に掛け金拠出」に決めた

  手数料も安くしたいし高値掴みのリスクも減らしたいと思ったので、ある程度期間を分散しつつ手数料も減らせるよう、当面の間は「年払い」を選択し、奇数月に掛け金を拠出することにした。これで収納時手数料を630円削減(30年で18,900円削減)できる。

 

元本保証の商品のみで運用するなら年1回の拠出がおすすめ

  ideco残りの運用期間が短くなってきて(残り数年など)、そろそろ受給することを考えたときに、価格変動で資産が減るリスクを避けるために積み立てた資産すべてを元本保証の運用商品に切り替えて運用することが考えられる。

 この場合、手数料を最安値にできる年1回の拠出をおすすめする。

 

 ただし、idecoのメリットの一つである「運用益非課税」が受けられないことおよび、一度拠出してしまった掛け金は最短で60歳まで引き出すことができない事に注意が必要である。

 また、元本保証の運用商品はあくまで「日本円」の元本保証であり、見方を変えると「日本円」に投資しているということでもある(例えば円の価値が低くなって物価が倍になったとしたら、ある意味では資産が半分に減ったといえる)ため、特にidecoの加入期間(運用期間)が長期間残っている人にはこの運用方法はあまりお勧めしない。

  

まとめ

  • 掛け金の拠出回数を減らすことで「収納時手数料」を節約できる。
  • 掛け金の拠出回数を減らしすぎると、ドルコスト運用法がとれないため、運用商品の「買い付け金額」が高くなる恐れがある(逆に安くなる可能性もある)
  • 残り期間が短くなったら運用商品を「元本保証」に切り替え、年1回の掛金拠出として手数料を減らしつつ資産の目減りを減らすことも考えられる。

  

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